従来はオフィスというと画一的なデザインとレイアウトが一般的でしたが、ここ最近は自社のコンセプトや実現したい理想の働き方を内装デザインに反映し、オフィスをリノベーションする会社が増えてきました。また、フリーアドレス制や休憩スペースを導入するなど、社員が居心地よく働けるよう工夫する会社も多くあります。リノベーションを行うことはオフィスをおしゃれにするだけでなく、人材の確保や取引先へのブランド訴求に繋がるなど多くのメリットがあります。
現在の事務所をリノベーションするメリットや、居抜き物件を借りてリノベーションする際のポイントをご紹介します。オフィスのリノベーションに関する理解を深めていただき、この機会にリノベーションをご検討いただければと思います。
■目次
1.オフィスをリノベーションするメリット
2.オフィスをリノベーションする際のポイント
2-1.現在のオフィスををリノベーションする際のポイント
2-2.オフィスの居抜き物件を借りてリノベーションする際のポイント
3.オフィスの増員時のレイアウト変更のポイント
4.まとめ
1.オフィスをリノベーションするメリット
オフィスをリノベーションする際のポイントは大きく4つあります。
1) オフィスの内装デザインで社員のモチベーションを向上させる
少しだけ内装デザインをお洒落なにすることで社員の仕事へのモチベーションを向上が狙えます。豪華な内装デザインにしなくても床や壁をコンクリート剝き出しの状態のスケルトンデザインにするだけでもつけたり雰囲気をガラッと変えることができます。
2) ワークスタイルに合わせたオフィスの内装デザインで業務効率化
席と配置や仕切りを工夫し、チームや部署内でコミュニケーションが取りやすい間取りにすることで業務効率化を図ることができます。間仕切りを少なくすることで誰がどこにいるか一目で確認できるようにすることも有効です。席の配置はテーブルを向かい合わせにつなげて座る対向式レイアウトが一般的ですが、同方向式やブース型を取り入れることで打合せしやすい環境を作ることができます。営業や企画職は打合せや相談がしやすいよう対向式レイアウトにしたり席と席の間に打合せスペースを設けたり、専門職など1人の作業に集中させたい職種はブース型のレイアウトにするなど、職種に応じたレイアウトを考えることも有効です。
3)オフィスの来訪者へのブランド訴求
自社のブランドや製品を全面的にアピールしたい場合は会社のロゴや製品の特徴を受付や会議室等、来客する方が見える場所に大きく表示される内装デザインが適しています。
4) 画一的なオフィスデザインからの脱却できる
オフィスをリノベーションをすることで他の企業とは少し違った内装デザインになり自社らしさを引き出すことができます。他の企業と差別化したオフィスデザインは社員の愛社精神を育みます。
2.リノベーションする際のポイント
オフィスを内装工事する場合は以下の二点の出発点が考えられます。
①現在のオフィスを内装工事(リノベーション)する
②オフィスの居抜き物件を借りて内装工事する
以上の二点があります。それぞれのポイントを分けて解説します。
2-1.現在のオフィスをリノベーションする際のポイント
1) オフィス全体のコンセプトを明確に
オフィス全体のコンセプトは内装デザインだけでなく社員の働き方や来客者をはじめとする取引先への印象にも影響します。コンセプトの決め方には社員が働きやすい空間や、人材確保のためのデザイン性や福利厚生を重視した空間、他社へのブランド訴求を重視した空間など幾つかの決め方があります。いずれにしても自社の経営課題を整理し、リノベーションする目的を考えつつ最終的に業績拡大につなげることを意識したオフィスを創ることを大切です。
2) 収容人数に応じたゾーニングとレイアウト
ゾーニングとは必要な機能スペースの位置を平面図上でおおまかに位置取りすることを指します。オフィスレイアウトは大きく以下の6つに分かれます。
・執務スペース
・共有スペース
・フロント受付
・会議室
・社長室、上長室
・リフレッシュエリア
それぞれの関連性を考えて間取りや大きさを決め、実現したいイメージを考えておく必要があります。例えば、給湯スペースと来客スペースは近くにすると接客がスムーズになります。会議室は来客用と社内用でいくつ設けるかもレイアウトと併せて考えます。
3) 場所別に内装デザインを考える
先ほどの六つのエリアそれぞれの内装デザインを考えます。オフィスの内装デザインを全て統一するのではなく、フロントや受付は自社製品のイメージに合うデザインを再現し、執務スペースは社員同士が気軽にコミュニケーションを取れるようポップな色合いに仕上げることもできます。
2-2.居抜き物件を借りてリノベーションする際のポイント
1) 間仕切りや設備関係をそのまま使える物件を探す
リノベーションを行えばオフィスのレイアウトや電気や水道などの設備の位置も変更可能ですが、既存のレイアウトをそのまま使用し内装仕上げのみの工事とすれば工事費用を安くすることができます。現在の事務所をリノベーションするのであれば大掛かりな工事となることも仕方ありませんが、物件を探すのであれば工事費用を抑えられる物件を見つける方が得策です。
2) リノベーションして良い範囲をオーナーに確認
物件によってはリノベーションしていい場所としてはいけない場所が設けられていたり、壁紙や床の張替は問題なくても間仕切りの変更等は禁止されていたりと制限がある場合があります。工事完了後にトラブルとならないよう、リノベーションをするにあたり制限があるかどうかは事前に確認が必要です。
3) 壁や床のデザインを工夫して自社の色を出す
物件によっては前のオフィスの状態が綺麗に残されており、リノベーションなしで良いと思われる場合もあるかもしれません。但し、壁や床のデザインを少し工夫するだけでもオフィス全体のイメージがガラリと変わります。画一的なデザインより少しでも内装を変える方が社員のモチベーションアップに繋がりますのでリノベーションを検討してほしいと思います。
3.増員時のレイアウト変更のポイント
社員が増えるとオフィス移転を真っ先に考えがちですがレイアウト変更で対応できる場合も多くあります。移転を検討しながらレイアウト変更についても一度内装会社に相談してみるのも良いかと思います
1) 島形レイアウトを中心に席を配置する
島形レイアウトは対向式レイアウトとも呼ばれ、デスクを対向して配置し島の形を形成する一般的なオフィスのレイアウトです。現在のレイアウトが対向式でなければ対向式にすることで社員の収容人数を増やせる可能性があります。
2) オフィスの寸法を意識して余分なスペースをなくす
オフィスには社員が効率良く働けるよう適切な寸法が定められています。人の横幅は45㎝と言われ、人1人が通れるスペースが最低60㎝であること基準にオフィスレイアウトを考えると無駄なくスペースを活用できます。具体的には以下の4点に注意してください。
・メインとなる通路は1m60cmの幅を設ける
・デスクとデスクを背あわせで配置する場合は1m80cmの幅を設ける
・通路を挟んでデスクを横並びで配置する場合は1mの幅を設ける
・デスクの後ろにキャビネットを配置する場合は1m70cmの幅を設ける
3) 間仕切り壁を壊して開放感を出す
部署ごとに仕切られている間仕切り壁があれば撤去することでオフィス全体を広くすることができます。執務室全体が見渡せるようになれば業務効率の向上も期待できます。その他、収容できるスペースは変わりませんが天井を筒抜けにして開放感を出す方法もあります。
4) 使用頻度のすくないスペースを有効活用する
使用していないスペースや会議室等があれば、そのスペースを執務室として利用することで収容人数を増やすことができます。場合によっては間仕切り壁を撤去することも有効です。
4.まとめ
オフィスの内装をリノベーションにより変えることで社員のモチベーションアップや業務効率化、取引先へのブランド訴求など多く効果が期待できます。内装工事となると初期費用がいくらかといった点に注目してしまいますが、是非長い目で見て経営課題の解決や業績アップに繋がるかという視点を考慮しながらリノベーションをご検討していただければと思います。