会社の人員が増えた場合、真っ先にオフィスの移転を考える方も多いかと思いますが今のオフィスのレイアウトを変更するだけで対応できる場合もあります。オフィスのレイアウトは標準となる寸法が定量的な数字で決められており、この寸法を元に席のレイアウトを決めることでより多くの社員を収容できると共に、業務効率も上げることができます。
標準となる寸法についてご確認いただき、それよりも広く席と席のスペースを確保している場合はレイアウト変更だけで収容人数を増やすことも十分可能です。
■目次
1.レイアウト変更を考える際のポイント
2.基準となる寸法を意識するメリット
2-1.基準となる寸法を意識するメリット
2-2.基本の寸法
2-3.デスクまわりの寸法
2-4.打合せスペースの寸法
3.基本の寸法
4.デスクまわりの寸法
5.打合せスペースの寸法
6.まとめ
1.レイアウト変更を考える際のポイント
レイアウト変更を検討される理由は企業によって様々ですが、具体例として幾つかご紹介します。これらに該当する場合はレイアウト変更を行うことでより機能的なオフィス空間を実現できる可能性があります。
1)人員の増加
レイアウト変更を考えるほとんどの理由がこちらになるかもしれません。冒頭でもお伝えしましたが、移転せずに席のレイアウト変更をするだけで収容人数を増やすことが可能です。レイアウト方法には幾つか種類がありますが、対向式レイアウトと呼ばれる席と席を向かい合わせに配置し、島を作る方法が最とも収容効率に優れています。他にも席と席、通路と席の間隔を見直したり、一部内装工事が必要になりますが使用していない壁を壊して執務室として利用したりする方法も有効です。
2)社員同士のコミュニケーション活性化
自席以外に休憩や食事でできるスペースがあるとリラックスしやすくなり、他部署のメンバーとの意見交換も活発になります。コミュニケーションは仕事を円滑に進めるためだけでなく、斬新なアイデアを生み出すためにも必要です。休憩スペース以外にも席と席の間に打合せスペースを設けることで、積極的に打合せができるよう工夫することでコミュニケーションが活発になることが勿論、会社全体の雰囲気も自然と明るくなるかと思います。
3)未使用スペースの有効活用
未使用の会議室等があれば、そのスペースをリフレッシュエリアや共有スペース、執務室として開放することで会社全体の雰囲気を変えることが可能です。その他、内装工事が必要になりますが、執務室に間仕切り壁がある場合は撤去することにより会社全体を広く見渡せるようになり、誰がどこにいるかも判断しやすくなります。
4)経営方針の変更や社長交代に伴うリニューアル
主要な事業の方向性が変わったり、社長が変わったりした場合に心機一転させるためにレイアウト変更を行うことも有効です。レイアウト変更のみならず内装をリニューアルすることで組織や事業の方向性が変わった際に会社全体の方向性を一致させることが可能です。
2.レイアウト変更の基準となる寸法
ここからはレイアウト変更を実施する際に意識していただきたい寸法について説明します。
2-1.基準となる寸法を意識するメリット
オフィスには定量的な数値で示された基準となる寸法があり、こちらを元にレイアウトを決めることでオフィス内の移動だけでなく仕事の生産性や集中力を高めることができます。
このオフィスレイアウトの基準となる寸法は動線や作業の快適性、心理的ストレスなどを考慮して定められた数値であり、現状のオフィスが手狭に感じる場合は標準寸法を取れていない可能性があります。逆にこちらの寸法より広くスペースを取っている場合は意識するだけで収容人数を増やすことが可能です。
2-2.基本の寸法
人の横幅は約450mmで人が通れる最小寸法は600mmと言われております。これを基準に各寸法を考えることができます。オフィスレイアウトでは以下の寸法を意識してください。
1)スムーズにすれ違いができる通路幅:1350mm以上
2)メインとなる動線の通路は1600mm以上が理想
3)1人あたりのオフィス面積は3坪前後が理想
2-3.デスクまわりの寸法
続いてデスク周りの寸法では以下の寸法を意識するとストレスなく業務を行えるとされています。
1)デスクの標準サイズ:縦700mm×幅1200mm
2)着席時の縦幅:450mm
3)デスクとデスクの間隔(背中合わせ):1500mmから1800mmが理想
4)デスクとデスクの間隔(横):600mmから900mmが理想
5)デスクと壁(後ろに1人通れる):1500mm以上
2-4.打合せスペースの寸法
打合せスペースや会議室では机と壁、机と机の間隔として以下の寸法を意識してください。
1)机の壁の間隔(後ろに人が通らない想定):900mm以上
2)机と机の間隔(同方向式レイアウト):750mm以上
3.まとめ
オフィスのレイアウト変更を検討される目的は企業によって様々ですが、レイアウト変更を実施する場合は基準となる寸法を意識してみてください。席と席の間隔や各々のレイアウトは狭すぎても広すぎてもストレスになります。詳細なレイアウトやオフィス家具の設置に関しては業者に相談するのも良いかと思います。収容人数を意識したレイアウトとオフィス基準となる寸法を参考にしていただき、機能的なオフィス空間の実現を目指してほしいと思います。