オフィス内装デザインを考える。テレワーク時代の内装デザインとは?

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政府が掲げる働き方改革の政策としてテレワークを導入する企業が増えています。従来は都心や駅近にあることが重要視されていたオフィスの価値が、居心地の良さやコミュニケーションの取りやすさなど敢えて会社に行く理由が何なのか考えなければならない状況になっています。
テレワーク時代にオフィスの内装デザインやレイアウトはどのようであるべきか、ご理解を深めてほしいと思います。

■目次
1.テレワークとは
 1-1.在宅ワーク
 1-2.モバイルワーク
 1-3.サテライトオフィスワーク
2.テレワーク時代の内装デザインのポイント
 2-1.コミュニケーションの取りやすさ
 2-2.テレワークならではの工夫
3.まとめ

1.テレワークとは


テレワーク時代のオフィスデザインを考える上でまずテレワークについて理解することが大切です。テレワークとはIT(情報通信技術)を活用した時間や場所に縛られずに柔軟に働くことを指します。名前の由来は「tele = 離れた所」と「work = 働く」の2つの単語をあわせた造語になります。また、テレワークは広義的な言葉で、働く場所によって、在宅ワーク・モバイルワーク・サテライトオフィスワークの3つに分類されます。

1-1.在宅ワーク
在宅勤務は、自宅にて仕事をする形態のテレワークです。通勤が困難な方や妊娠・育児中の方、親の介護をする方などが休業せずに仕事が続けられます。テレワーク導入企業では週1~2日ほどの在宅ワークを採用しているケースが多く見られます。

1-2.モバイルワーク
営業職など外出の多いスタッフが移動中やお客様先から社内システムにアクセスしたり、PCやスマホ等の端末を利用したりして業務を行う形態のテレワークです。移動中以外にも打合せと打合せの間に喫茶店で過ごす時間を有効に利用でき作業効率の向上に繋がります。

1-3.サテライトオフィスワーク
サテライトオフィス勤務とは、本社から離れた場所にあるオフィスで仕事をする形態のテレワークになります。月額制のレンタルオフィスを契約し、社員がそこで働くことを許可するケースが中小・ベンチャー企業から大手企業まで増えています。外出の多い営業職の方はもちろん、自宅と勤務先が離れた社員も移動時間を削減して生産性を上げることができます。

これらの3つはどれか1つに絞る必要はなく、3つ全部のテレワーク形態を導入している企業も多くあります。

2.内装デザインのポイント


テレワークが普及するとスタッフは会社に限らず自宅や外出先で仕事ができるようになります。そうなるとオフィスでは自宅ではできない打合せやチームでの仕事のしやすさを重視したレイアウトを考える必要があります。1人で黙々と作業をするのであれば自宅や喫茶店等で行う方が効率的な場合もあるからです。また、テレワーク社員とオフィスワーカー双方が働きやすくなる工夫が求められます。

2-1.コミュニケーションの取りやすさ
1)フリーアドレス化
オフィスに固定席を設けず毎日違った席に座るフリーアドレス制を取り入れる企業が増えています。部署の壁がなくなることで他部署間のコミュニケーションが活発になることに加え、毎日違った景色を見て仕事をすることで斬新なアイデアが生まれやすくなることも期待できます。災害やパンデミック等が発生し、オフィス移転や縮小が必要になった場合でも素早く対応できるメリットがあります。
また、場所に捕らわれない働き方が定着するため、これからテレワークを導入したい企業やテレワークを全社的に推進させたい企業におすすめです。

2)フリースペースを広く設ける
固定のワークスペースでオフィス全体の大部分を占めるのではなくフリースペースを広く設けることで、普段は在宅勤務の社員が臨時出社した際の業務スペースとして活用できます。平常時にはランチスペースや憩いの場としてスタッフ同士のコミュニケーション活性化するのにも効果的です。

3)遊び心にあふれた出社したくなるオフィス
休憩室やリフレッシュエリアを設けることで居心地を良くし社員間のコミュニケーションを促進できます。せっかくオフィスで仕事をするからには生き生きとした内装デザインを取り入れる工夫も大切です。あくまで会社は仕事をする場なので、必ずしも卓球台を置いたり、バーを設置したりするなどの工夫は必要ありませんが、自宅と同等に快適な勤務環境を作り、在宅社員の出社を促すこともできます。

2-2.テレワークならではの工夫
1)ビデオ会議専用の会議室
テレワークの普及と共に実施する機会が多くなるのがビデオ会議です。PCに元々付随しているカメラやスピーカーは性能が良いとは言えません。キーボードのタイピング音や雑音が聞こえたりタイムラグが生じたりすることが多くあります。部署間の数人でビデオ会議をする場合には問題ありませんが、大人数での会議や取引先を交えた打合せ、商談で使用する場合は会議の質にこだわった方が良いと言えます。
高性能なWEBカメラやマイク、イヤホンを設置することでWEB会議の質を高められることは勿論、ビデオ会議における背景を意識した壁にすると使い勝手が良くなります。他にも会議室に書き込み可能なホワイトボードなどを設置することで、離れた相手との打合せ内容の確認に使用できます。

2)サテライトオフィスの活用
働く場所を本社に絞るのではなくサテライトオフィスを活用することで業務効率を上げることができます。一昔前はレンタルオフィスと言うと起業家やフリーランスの人が活用することが多かったですが、最近で大手企業からベンチャー企業まで契約する事例が増えています。サテライトオフィス勤務を導入することで在宅勤務社員が社内インフラを活用可能でき、営業職など外出中心の社員の業務効率化を図れます。

3.まとめ


テレワークによる働き方が普及するにつれてオフィスの考え方も変えていく必要があります。オフィスの内装工事を進めるにあたっては事前にコンセプトを決めますが、従来以上になぜ敢えてオフィスで働くのか、オフィスで仕事をするからにはどのように働いてもらいたいかを意識して、内装デザイン及びオフィスレイアウトに反映させてほしいと思います。