オフィス移転!内装デザイン、引越し、段取りはどうすればいい?

オフィスを移転する理由は企業によって様々ですが、初めての場合は何から手をつければ良いかイメージが湧かないこともあるかもしれません。事前にオフィス移転で必要なことの全体像を把握しておけば、段取りがスムーズになり思わぬトラブルを防ぐことができます。
オフィス移転の段取りと内装デザインのポイントについて記載しますので理解を深めてほしいと思います。

■目次
1.移転に向けた流れ
 1-1.旧オフィスでの手続き
 1-2.新オフィス移転に向けた段取り
2.内装デザインのポイント紹介
 2-1.内装の方向性を決める
 2-2.席のレイアウトの特徴を理解する
3.まとめ

1.移転に向けた流れ


オフィスの移転では旧オフィスで必要な手続きと、新オフィス移転に向けた段取りと大きく2種類を準備が必要になりますので順番に解説します。

1-1.旧オフィスでの手続き
全体の流れとして旧オフィスでは以下の4つのステップが必要になります。
① 解約通知

② 原状回復業者選定(居抜きでの造作譲渡もある)

③ 移転

④ 原状回復工事

移転すると決めたら現在入居中のオフィスの解約する旨ををビルの管理人に通知します。解約通知は通常移転の6か月前に行います。賃貸の契約上、この期間内に解約通知をしないと希望する時期に解約できない可能性があるので注意が必要です。事前に契約書の内容を確認しましょう。

続いて原状回復工事が必要かどうか確認します。原状回復工事とは内装を入居前の状態に戻す工事を指し、オフィスの場合は撤去時に原状回復するのが一般的です。一方で居抜きの状態のまま譲渡することが可能な場合もあります。旧オフィスに入居する際の契約で退去時に原状回復工事が必要か決まっているので確認してみてください。
工事が必要であれば業者を手配します。工期としては30坪のオフィスで2週間から長くて1ヵ月を見ておけば十分かと思います。

1-2.新オフィス移転に向けた段取り
全体の流れとして新オフィス移転に向けた段取りでは以下6つのステップが必要になります。
① 移転目的の明確化、コスト算出

② 工事関係の手配
1) 内装会社
2) 電話会社
3) ネットワーク会社

③ 移転担当チーム編成

④ スケジュール立案と社内への通知

⑤ 作業リスト及び引っ越しマニュアル作成

⑥ 顧客への移転案内、その他事務作業

移転を決める際には最初に目的を明確にします。社員が増えた或いは減ったことへの対応であれば従業員への説明は不要ですが、そうでない場合は営業効率の向上や内装デザイン刷新による企業イメージの向上などの理由を明示しておくと良いかと思います。

理由が明確になれば新オフィスの内装デザインや席のレイアウトについて大まかなイメージを決めます。内装業者に相談しながら詳細を詰めていくことも可能ですが、事前に実現したいイメージを決めておく方が業者との打合せもスムーズに進みます。気に入ったデザインの写真等があれば用意しておくのも良いかと思います。内装デザインやオフィス家具等についてはどこまでこだわるか、事前に予算を決めた上で業者に相談し見積を依頼すると効率的です。
その他、電話会社とネットワーク会社にも工事費用の見積を依頼します。全体の工事費用を予算内に収めることができれば社内向けに移転を推進していきます。

移転を推し進めるにあたり総務部などが中心となるより新規で担当チームを編成したり、複数人の担当者を任命したりする方がスムーズに進むことが多いです。社内全体に移転までスケジュールを通知し、必要な作業を洗い出してチェックリスト作成しておくと効果的です。梱包して新オフィスに配送するものと、移転を機に処分するものを明確しておきましょう。書類の整理には重要な情報等も含まれるため慎重な対応が必要です。

その他、取引先へパンフレット等で移転通知や、電話やインターネット、プロバイダーなど通信関係の住所変更、コピー機や電話機といった情報端末の名義変更などが必要になります。オフィス移転の際にはいくつもの届出が不可欠です。手続きごとに期限が定められているので、移転前にチェックしておき計画性をもって準備しましょう。

2.内装デザインのポイント紹介


内装デザインのポイントについて2つご紹介します。業者に相談する前にこれらのポイントを理解しておくことで打合せ時に実現したい要望を伝えやすくなります。

2-1.内装の方向性を決める
オフィスの内装のコンセプトには幾つかの種類がありますのでそれぞれの特徴を解説します。
1)業務効率優先型
デザイン性に特別こだわらず、限られた執務スペースにできるだけ多くのスタッフを収容できるようデスクは配置する内装です。1人あたりのオフィス面積は狭くなりますがコストを抑えることができます。デザイン性に特別こだわる必要がなければおすすめです。

2)コミュニケーション優先型
会議や打ち合わせが頻繁に発生する場合もしくは会社全体として社員同士のコミュニケーションを活発にしたい場合に採用したい内装です。執務スペースとは別に打合せスペースやフリースペースを多く設けたり、リラックスしてコミュニケーションが取れるよう明るい色味のある内装を取り入れたりする工夫が挙げられます。通常のオフィスレイアウトよりスペースが必要になることを考慮して移転先を決めてください。

3)デザイン優先型
人材の定着を目指すオフィスでは、リフレッシュスペース等を設けて福利厚生を充実させた内装にすることも有効です。壁紙や間仕切り等のデザインにこだわることでもオフィスの雰囲気をガラッと変えることができます。その他、観葉植物や水槽などを執務室や会議室に置いて自然の空間を演出したり、企業イメージと合致するデザインを取り入れたりすると効果的です。

2-2.席のレイアウトの特徴を理解する
席のレイアウトには以下の5種類があるのでスペースと用途を考えて配置することが重要になります。
1)対向式レイアウト
オフィスとして最も一般的な机の配置です。限られたスペースに効率よくデスクを配置でき、向かい合って座ることで人と人との距離が近いためにコミュニケーションも取りやすくなります。その他、デスクの下に通して配線を複数人で共有して利用することも可能です。

メリット

  • コミュニケーションが取りやすい
  • 効率的なデスク配置が可能
  • 配線を複数人で共有できる
    デメリット
  • 人と人との距離が近く圧迫感がある

2)背面対向式レイアウト
対向式レイアウトとは逆にデスク同士と向かい合わせではなく背中合わせで配置するレイアウトです。普段は集中力を保ちながら仕事し、相談等がある時は振り返ることで気軽にコミュニケーションが取れます。チーム内で密な連携が企画職などにおすすめしたいレイアウトです。

メリット
-作業に集中できる
-コミュニケーションが取りやすい
デメリット
-1人あたりのスペースを広く取る必要がある

3)同向式レイアウト
学校のように同一の方向に全てのデスクが向いているレイアウトです。銀行の窓口などでは全員がお客様に顔を向けられるよう同向式レイアウトが採用されています。社員同士が定期的に情報共有したり、プレゼンを頻繁に行ったりする場合には採用してみると良いかもしれません。

メリット
-部署全体への情報共有がしやすい
-スタッフを管理しやすい
デメリット
-コミュニケーションが取りづらい

4)ブース式レイアウト
1人あたりのデスクスペースを広く取り半個室のように仕切る形にしたレイアウトです。周囲からの干渉を防ぐため個人で集中して作業を行う必要のあるデザイナー、プログラマーなどの専門職の方に向いています。

メリット
-作業スペースが広い
-作業に集中できる
デメリット
-1人あたりのスペースを広く取る必要がある

3.まとめ


オフィス移転を計画する際は最初に何のための移転なのか目的を明確にしましょう。目的と予算を決めたら半年前を目途に遅くとも3ヶ月前には移転の準備を進めていただければと思います。内装デザインやレイアウトについては全く分からなくても業者に相談すれば、幾つかの案を貰えると思います。工事費用についてまずは気軽に見積を依頼し、オフィス移転の費用対効果が望めるか検討してみてください。