オフィスの内装工事は生産性を高めるだけでなく従業員のモチベーション向上や採用力アップにも繋げることができます。スケルトンからの内装工事は居抜きと比較して工期が長くなり費用も高くなりますが、より自由度の高い内装を実現できるメリットがあります。
スケルトンからの事務所を造るのにどれくらいの費用がかかるか解説しますので、内装工事を検討する際にご参考にしていただければと思います。
■目次
１．スケルトンからオフィスを造るメリット
２．スケルトンのオフィス内装工事の費用
３．余談
４．まとめ
１．スケルトンからオフィスを造るメリット
１）自社のコンセプトや自由度の高い内装を実現できる
居抜きで事務所の内装工事をする場合、既存のレイアウトや設備をできる限り活かす形で内装デザインを検討するため、画一的なオフィスになりがちです。スケルトンの場合は間仕切り壁をどこに造るか、照明をどのように配置するか一から決めることができるため自由度の高い内装を実現できます。
２）目的に合わせた内装デザインの実現が可能
オフィスの内装を工夫することで自社の経営課題を解決することができます。例えば社員同士のコミュニケーションを活性化させたい場合には執務室の間仕切り壁をなくしオープンな空間にしたり、席と席の間に打合せスペースを多く設けたり、共有スペースを設置したりする方法があります。他にも社員がより自由な発想を生み出しやすい環境を造りたい場合には、会議室とは別に気軽に休憩や話し合いができるリフレッシュエリアを設けたり観葉植物や水槽を置くことでよりリラックスできる空間を演出したりすると良いかもしれません。
２．スケルトンのオフィス内装工事の費用
スケルトンからの内装工事は概算で1000万と言われています。実際には広さや業態（オフィス、飲食店、物販店など）により異なります。より詳細に内装工事にかかる金額を決めるために坪単価が使われます。1坪は約3.3㎡になります。
１） オフィスの坪単価
オフィスをスケルトンから造る場合、相場は坪単価で30万～50万になります。30坪のオフィスを想定すると内装工事の費用は1000～1500万になります。
参考までに同じ30坪の広さを居抜きで造る場合は坪単価で10万～30万となり、工事金額はトータルで300万～600万となります。但し、居抜きといっても既存の内装やレイアウトをどこまで活かすか、内装工事の程度により金額は大きく異なります。
２） 既存の内装をスケルトンの状態にする場合の坪単価
既存のオフィスをスケルトンにするには坪単価で10万かかると言われています。スケルトンの物件が良い立地条件で見つかれば問題ありませんが、そうでない場合は現在の事務所を解体しスケルトンからリニューアルする方法や、居抜き物件を契約してスケルトンの状態にしてから内装工事をする方法もあります。勿論、事前にどこまで内装工事をして良いのか建物のオーナーに確認が必要です。
３．余談
スケルトンからの内装工事を検討する上で知っておいてほしい内容を2つご紹介します。
１） 消防設備の設置が必要になる場合もある
消防設備とは消火器をはじめ、火災報知器や非常口の場所を知らせる誘導灯、ボタンを押して火災時に警報を鳴らす総合盤などがあります。これらの消防設備では居抜きの場合は最初から設置されていますが、スケルトンから内装工事をする場合は新規で設置が必要なこともあります。スケルトンでも建物、部屋、内装の条件によっては必要ない場合もあるのでビルのオーナーに確認しましょう。内装業者に依頼すれば見積を貰う際に確認してもらえることもあります。
２） 原状回復工事の必要有無を確認する
物件を解約し退去する際は入居した時と同じ状態に戻すことが一般的です。内装を物件の入居前の状態に戻す工事のことを原状回復工事と言います。事前に原状回復工事がどこまで必要か確認しておくことで退去時の工事金額の負担に関するトラブルを防ぐことができます。物件によっては退去時に内装をそのまま残せる場合もあるので確認しておくと良いかと思います。
４．まとめ
オフィスの内装工事を考える際、費用を抑えるために居抜き物件を検討しがちですがスケルトンには居抜きにはないメリットがあります。内装デザインに拘らず生産性を重視するなら居抜きで物件を探すことも有効ではありますが、希望条件や希望場所にあるとは限りませんし、居抜きでも原状回復工事が必要になります。居抜きとスケルトンそれぞれのメリットを押さえた上でオフィスの内装工事を検討することでより選択肢が広がります。
内装デザインにこだわることで他社と差別化でき、スタッフのモチベーションアップや人材確保、取引先へのブランド訴求など様々なメリットが期待できます。スケルトンからの内装工事は費用がかかるものの、長期的に見れば投資額以上の効果を期待できるとも言えます。是非スケルトンから内装工事を選択肢の１つとしてご検討いただければと思います。
