内装工事の見積書!項目についてプロが解説!

内装工事の見積書!項目についてプロが解説!

内装工事の見積は専門用語や聞き慣れない言葉が数多く記載されており、初めて見積書を見る方ににとっては理解しづらいことがほとんどです。

見積書の項目を理解することで内装業者に内装工事費用の金額交渉しやすくなります。また、店舗の内装工事全体の流れを理解することで工程ごとにスケジュールを内装業者と打合せすることも可能になります。

当記事を読むことによって、見積書の項目の内容を理解してトラブルなく内装工事を進め理想の店舗を開業できるようになります。

■目次


1.内装工事の見積書の項目の内容を理解するメリット
2.必ず理解しておきたい内装工事の項目
3.まとめ

1.内装工事の見積書の項目の内容を理解するメリット

冒頭でも少し触れましたが見積項目の内容を理解することには大きく四つのメリットがあります。

1)内装業者に工事費用の金額交渉しやすくなる

見積書の内容を理解することで内装業者に金額交渉しやすくなります。過度な金額の交渉することはおすすめできませんが、他の内装業者の見積書と比較して高い費用金額の項目を発見することできれば内装工事費用を下げることができるかもしれません。

2)内装工事内容が分かる

見積書に記載されている内装工事の内容を理解することで当事者意識を持って内装工事の進行を見守れるようになります。当然のことですが、内装工事の見積書を理解することにより内装工事全体でどのようなことをするのか、イメージできるようになります。

3)内装工事の抜け漏れを防止できる

内装工事の内容が分かることで不要な工事があれば業者に指摘して内装工事費用を抑えることができます。また、必要な内装工事の項目が見積書に記載されていないことを内装工事開始前に指摘することで内装工事の抜け漏れを防止することができます。また、当初の想定していた予算より見積工事費用金額がオーバーしている場合は内装工事の項目ごとに削れる部分がないか検討できるようになります。

4)内装工事の工程やスケジュールを掴みやすくなる

店舗物件を契約でき内装業者も決まり内装工事の詳細を決める際に内装工事の工程表を作成します。内装工事の内容を理解することができれば、内装工事全体像を掴むことができ、進行状況を把握することができます。

2.必ず理解しておきたい内装工事の項目

内装工事を進めていく上で理解しておくと内装工事の全体像を掴みやすくなる項目を工事序盤、工事中盤、工事終盤、設備工事、その他に分けてご説明します。必ずしも内装業者の見積書は上記の順番通りに内装工事の項目が記載されているわけではありませんが、内装工事全体の流れが掴みやすいため上記の順番でご解説します。

1)内装工事の序盤

・仮設工事:内装工事のための工事準備をしたり、一時的な設備を設置することをいいます。例えば、養生と呼ばれる店舗物件の壁に傷が付かないようにシートで保護する工事を行います。他にも内装工事するための足場を作成したり、内装工事をする職人のためにトイレを設置します。基本的に内装工事完了した後は完全撤去します。

・解体工事:店舗の壁や天井を解体し取り壊す工事です。スケルトン物件を内装工事する場合はは発生しませんが、居抜き物件でもレイアウト変更するために一部の壁や間仕切りを取り壊すケースもあります。店舗物件を解約して原状回復するに必要な工事でもあります。

・軽天・ボード工事:簡単にご説明しますと天井や壁をボードと呼ばれる板を張る工事になります。軽天と呼ばれる軽い鉄で出来た棒状の材料で天井や壁の骨組みを作成したうえにボードを張り付けて天井や壁を作ります。また、軽鉄や軽量鉄骨下地、LGSとも呼ばれます。

2)内装工事の中盤

・木工造作工事:木材を使用してを行う内装工事の全般を指します。木材の加工や組立をはじめ、木材を使用して買いダナンを設置する場合も木工造作工事と呼ばれます

・建具造作工事:建具とは壁やドアなどを指します。建具を作成する内装工事の全般を建具造作工事といいます。他にも建具造作工事には入口やトイレ、スタッフルームなどに扉を設置する工事も含まれます。建具の建材には木製やメラミンと呼ばれる樹脂板製、など様々な種類が使用されています。

・家具造作工事:テーブルや椅子、ソファなどを制作する工事です。既製品のサイズが店舗に合わない場合に必要な工事です。また、オリジナルの家具をオーダーメイドで作ることで愛着が沸きます。

・金属工事:ステンレスやアルミなどの金属を使用した内装工事をいいます。店舗のに受付のデスクやドアの取手部分を金具を付ける際に必要な工事になります。

・ガラス工事:ガラスを加工して天井や壁、間仕切りなどにガラスを取付ける工事です。ガラスを使用することで開放感を演出できます。

3)内装工事の終盤

・左官工事:表面の塗り工事全般をいいます。コテを使用し、水で練った材料で壁・床・天井を仕上げます。飲食店の内装工事では厨房の床に防水加工する際の工事も左官工事に含まれます。厨房の床下にはガスコンロやフライヤーなどの厨房機器用の配管を通す必要があるため、コンクリートブロックを積み上げ防水層から200㎜~300㎜上げて床を作ります。

・塗装工事:液体の塗料を仕上げ材として石膏ボードやカウンターなどを塗装する工事をいいます。作業の工程としては下地処理を行った壁に下塗りを施し、様々な塗料で上塗りをして仕上げます。

・タイル工事:内外装の壁・床の仕上げなどにタイルを貼る工事です。タイルは防水性能が高いため飲食店の厨房やトイレなどで多く使用されます。


・サイン工事:店舗入口の看板や店内のメニューなどを作成し取り付ける工事です。板に文字を描くだけ方法やカッティングシートで文字を貼り付ける方法の他にも直接掘って文字を強調する方法などがあります。

4)設備工事

・電気設備工事:電気設備工事とは照明やスイッチ、コンセントの設置のことをいいます。他にも、換気扇やエアコンへの電源配線、ブレーカーの設置などの工事も該当します。それ以外にも、スピーカーの設置やパソコンに接続するLAN配線等も含まれます。居抜き工事の場合は建物に用意されている電気容量が設置する照明や機器に使用する電気容量を上回っていることの確認が必要です。

・給排水工事:便器・手洗いの給排水の配管と設置や、厨房機器への給水・給湯・排水の配管などの工事をいいます。給湯器には号数あり、飲食店を開業する場合には厨房設備に適したものを選ぶ必要があります。

・衛生設備工事:トイレの便器や洗面台、厨房のシンクなどの衛生器具の設置工事です。給排水工事が衛生設備から水が排水されるまでの菅を通す工事で、衛生設備工事はそれを使用するための器具の設置する工事になります。

・給排気工事:その名の通り店内の給気と排気を行うための工事のことをいいます。換気工事と空調工事の二つに分類されます。換気工事とは厨房や換気扇の設置や、天井裏にダクトを配置し屋外に排気する工事が指します。空調工事は店内のエアコンと室外機の設置、エアコンから室外機まで冷媒管と呼ばれる管を通す工事などもあります。

5)その他

・雑工事:清掃や補修など上記で説明した項目に含まれない工事です。見積書によっては項目に記載されない場合もあります。

・設計監理費:図面の設計者が現場で工事の進行状況や図面と工事内容にズレがないか確認するためにかかる費用です。

・諸経費:工事内容と直接関係しない間接費用です。現場管理費や交通費、内装工事業者の事務所経費など様々な経費が含まれます。現場管理費や一般管理費などと分けて項目が記載される場合もあります。

必ずしも知っておく必要はありませんが知っておくと見積書の内容をより理解できる項目もこちらの記事で紹介しています。興味のある方は是非ご覧ください。

3.まとめ

内装工事は内装デザイン設計から工事完了まで全て内装業者任せにすることは可能です。ですが、内装業者任せにしてしまうと伝えたと思っていた内容が伝わっていなかったり、必要な内装工事が抜けていたりするリスクが高まります。内装工事に関する知識を身につけていただき、業者と同じ目線で工事を進めることでトラブルを防止できます。


内装工事の見積項目の内容を紹介しましたが、見積で不明な項目は内装業者に確認すれば教えてくれます。「諸経費」や「〇〇一式」と記載され内訳が分かりづらい場合は質問することをお勧めします。内装工事の見積項目を理解することは予算の範囲内で店舗開業することに繋がりますので是非押さえてほしいと思います。