居抜き物件でも絶対に必要な内装工事

内装工事費用を安く抑えるために居抜き物件で店舗開業しようと考えている人は多いと思います。スケルトン物件よりも少ない内装工事で店舗開業することができる居抜き物件でも絶対に必要な内装工事があります。当記事を読むことによって、居抜き物件で開業するイメージがつきやすくなり、掛かる内装工事費用も計算がしやすくなると思います。

■目次
1 居抜き物件を選ぶメリットとデメリット
2 居抜き物件でも必要な内装工事
2-1 看板工事
2-2 内装仕上げ
2-3 壊れた設備の改善
3 居抜き物件を選ぶ際の注意点
4 まとめ

1 居抜き物件を選ぶメリットとデメリット


居抜き物件では、前テナントが使用していた設備器具や内装をそのまま使用することができるので設備工事を行う必要がなくなります。そのため、居抜き物件で店舗開業することで内装工事費用を安く抑えることができるというメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。主なデメリットは内装やレイアウトの変更が難しいことです。居抜き物件でも開業したい店舗の雰囲気に合わせて、店舗内装や家具を変えたい人もいると思います。 しかし、店舗開業の内装工事費用を抑えることができるというメリットはそのデメリットは大きく上回るほどのものだと思います。居抜き物件を選ぶことで内装工事を少なくできることを定量的に分かりやすくするために居抜き物件で絶対に必要な内装工事について説明します。

2 居抜き物件でも必要な内装工事


基本的に居抜き物件の場合は設備工事を行う必要がありませんが、設備が壊れていた場合は修理や交換する必要があります。また、クロスやオーニングなども汚れていた場合は交換する必要があります。他にも店舗の看板やサインは必ず交換しないといけません。

2-1 看板工事


看板は通行客を呼び込む以外に、お店の個性を表現する大きな要素の一つです。お店の料理ジャンル、料理の個性、お店の雰囲気など看板一つで大きく伝わる情報は異なります。お店を告知する大事な情報の一つです。A看板などを用いて機動的に集客を強化することもできるため看板の各役割および訴求する情報をしっかりと考えて対応されることをお勧めします。内装デザイン・内装工事業者に相談される際もマーケティング的な要素について要望を出されることをお勧めします。看板の目的を理解したうえで看板の種類を簡単に説明します。

1)ファサード看板
ファサード看板とは店舗の入口の上部や壁面に設置する看板で、まさしく店舗の「顔」となるものです。喫茶店やラーメン屋など業種名や店舗名を提示することが多く、お店の存在を認知してもらうという役割があります。

2)スタンド看板(A看板)
スタンド看板とは路上に設置する看板で、表面は黒板やホワイトボードになっているものが多いです。そのため、日替わりメニューやランチメニューなどの一時的な情報を提示させることに適しており、お客様に来店を訴求するという役割を果たします。

看板の役割を理解していないと「難しい外国語を使用してお洒落だけど読めない看板」や「遠くからだと認識しづらい看板」などを作ってしまいます。看板を作る際は、看板を作る目的をしっかりと理解してお客様に伝えたい情報が正確に届く看板を作る必要があります。スタンド看板は5000円ほどで購入することが可能ですが、ファサード看板は工事が必要です。看板工事費用はデザイン料と看板製作費と取り付け工事費で決まりますが、2万円~10万円代が費用相場となります。

2-2 内装仕上げ


居抜き物件では前テナントの内装デザインを流用しても問題ありませんが、店舗のコンセプトに合わせて改装したい場合が多く予め予算として設けておくことをおすすめします。オーニング(テント)やカーテンがある場合も同様で出店したい店舗のイメージに合わせて刷新されることをお勧めします。椅子や照明なども同様に見た目・雰囲気を左右しますので馴染まない場合は一新されることをおすすめします。内装仕上げ工事は経営者のこだわりが出るところなので、費用相場を一概に言うことができませんが内装デザイン費用は施工費の10%程度を目安とするといいでしょう。

2-3 壊れた設備の修理や買い直し


内装工事ではありませんが、居抜き物件の設備が壊れていた場合は修理や買い直しする必要があります。事前に各設備の動作確認を済ませておきましょう。冷蔵庫や食器洗浄機などの厨房機器が故障していると修理することができず買い直しになることが多く購入費用も高額になりやすいので注意が必要です。物件下見時に可能であれば、設備の使用年数を確認しておくと故障に備えることができます。

このように、居抜き物件で開業する際は少しの内装工事と設備投資で済むことが多いです。そのため、居抜き物件で店舗開業する場合はスケルトン物件と比べて内装工事の項目がかなり少なくなります。居抜き物件を上手く活用すれば300万円ぐらいで店舗開業することが可能です。

3 居抜き物件を選ぶ際の注意点


居抜き物件では内装工事を少なくなることが理解できたと思いますが、店舗物件を契約した後に後悔しないように居抜き物件を選ぶ際の注意点を紹介したいと思います。

1)自分のお店に必要な設備機器があることの確認
事前に自分のお店で提供したいメニューを決めておくといいでしょう。そうすることによって、料理をするうえで必要な設備や機器を把握することができるため、物件選びの参考にすることができます。例えば、「焼肉屋を開業するなら換気扇」「ピザを焼くなら石窯」といった具合に「この店舗物件の既存設備で自分のお店で作りたいメニューが作れるか?」ということを考えながら物件を選ぶことができます。

2)造作譲渡でトラブルにならないため
居抜き物件は造作譲渡契約を締結することで前テナントの設備や厨房機器をそのまま使用することができます。不動産会社が仲介して造作譲渡契約を締結してくれる場合もありますが、前テナントのオーナーと直接やり取りをして造作譲渡契約を締結することもあります。
前テナントのオーナーと直接やり取りして契約を行う際はトラブルを未然に防ぐ注意が必要です。設備の動作確認をすることはもちろんですが、各設備がリースではなく譲渡対象であることを忘れずに確認しましょう。そして、必ず契約内容を書面に残して第三者からも確認することができる状態にしておくことをおすすめします。

4 まとめ


居抜き物件で店舗開業する場合は、最も重要なのは店舗立地であることは言うまでもありません。ただ、内装デザイン・工事の費用感も店舗および事業を運営していく上で非常に重要となってきます。居抜き物件の内装および設備がしっかりと整ったものを契約できると先に述べた次の3つを兼ね備えることができるため初期費用を大きく抑えることが実現されます。

■良い居抜き物件を見つけると初期費用が抑えれる!
1)設備工事が少なくて済む
2)内装仕上げ工事が少なくて済む
3)外観のサイン工事が少なくて済む

居抜き物件を上手く活用すれば内装工事をスケルトンから進めるに比べて初期費用を最大90%カットすることも実現されます。