店舗OPENまでの進め方!賃貸契約~内装工事~オープンまでの流れをご紹介

憧れの店舗を開業するにあたり、店舗のコンセプトやターゲット層に合う物件選びから賃貸契約、業者選定から内装工事、引き渡しから開業までの流れの全体像を理解しておくことは重要です。スタートからゴールまでの流れを把握しておくことで、開業までのスケジュールや課題が明確になるからです。
店舗開業までの流れをご理解いただき、ご自身の理想する店舗を段取りよく進められるようにしてください。

■目次
1.店舗開業までの流れを知るメリット
2.賃貸契約から内装工事、開業までの流れ
 2-1.全体像
 2-2.詳細とポイント
3.余談
4.まとめ

1.店舗開業までの流れを知るメリット


賃貸契約から店舗開業までの流れを知ることには以下の4つのメリットがあります。
1) 開業までの全体スケジュールを立てやすい
2) 融資を受ける際の手続きや不動産会社への交渉がスムーズになる
3) 抜け漏れをなくしトラブルなく工事を進められる
4) 内装業者と対等に会話でき金額交渉しやすくなる

冒頭でもお伝えしましたが、全体の流れを知ることで店舗開業までのスケジュールが立てやすくなり、やるべきことが分かっていれば課題や不安な点に対して早期に対策を打てます。また、融資の手続きや物件契約など重要な手続きを円滑に進めることができ、工事内容が分かっていれば内装工事における抜け漏れや業者との言った言わない等のトラブル防止にもなります。その他、内装工事に関する知見を持つことで業者と同じもしくは近い目線で会話ができ、見積の金額交渉もしやすくなります。

2.賃貸契約から内装工事、開業までの流れ


2-1.全体像
開業から店舗開業までの流れは以下の通りです。まずは全体像をざっくりと掴んでいただければと思います。各項目の詳細を後ほど記載しますので不明な点があっても問題ありません。
①開業日までのスケジュール選定

②店の業態、ターゲット層、内装イメージの選定

③物件を決める(仮押さえ)

④融資の手続き

⑤物件を契約

⑥内装業者に見積依頼

⑦内装業者と工事契約

⑧工事開始

⑨竣工、引き渡し

⑩開業

2-2.詳細とポイント
① 開業日までのスケジュール選定
店舗の開業予定日をゴールとして定め、契約する物件の坪数や内装工事の大まかな内容をイメージしておくと良いです。良い物件が見つかり次第開業の予定を立てる形でも問題ありません。物件や内装工事の詳細な金額は業者から見積を貰ってから立てても良いですが、事前にこれくらいの金額で開業したいという予算の目安を立てておきましょう。

② 店の業態、ターゲット層、内装イメージの選定
店の業態やターゲット層は物件を選ぶ上で重要ですので、事前に考えた上で立地を決めましょう。内装イメージも内装工事が始まる前の物件選びの段階からイメージしておくことで理想の内装デザインを実現できる可能性が高くなります。

③ 物件を決める(仮押さえ)
ここで重要なのは物件を契約するのではなく押さえておくことです。物件を契約するとその時点で賃料が発生し、契約をキャンセルすると当然のことながら費用が発生します。不動産業者には融資が通れば正式契約する旨を伝えておきましょう。立地に関しては店舗の集客を図る上で重要です。駅から近い等の情報だけでなくオフィス街や学校の近くにあるか確認しておきましょう。物件の周辺を歩いたり近くの喫茶店から周囲の眺めてみたりするのも良いかと思います。

④ 融資の手続き
融資を申し込む時点で必ずしも物件の契約もしくは目星をつけておく必要はありませんが、物件が決まっている方が開業後の売上や事業計画が立てやすくなり融資が通りやすくなります。融資が通った場合はいつまでに現金が振り込まれるか確認しておいてください。この後の内装工事にあたり、工事完了までに業者に全額を支払うのは一般的であるためです。

⑤ 物件を契約
融資が通れば正式に物件を契約します。建物全体に関する情報や店舗の平面図、ダクト図面などは内装業者に見積依頼する上でも、工事を進める上でも必要になるので不動産業者から貰っておきましょう。

⑥ 内装業者に見積依頼
内装業者への見積依頼は2社以上の会社に行うのが一般的です。物件の坪数や店舗のコンセプト、実現したい内装デザイン等を漏れなく伝えましょう。事前に予算が決まっていればこの金額でやってほしいと相談するのもおすすめです。
※物件が正式に決まっていない状態で内装業者に見積依頼をすることも可能ですが、概算でしか金額を貰えなかったり、業者によっては見積を貰えなかったりすることもあります。なるべく物件を正式に決めてから業者に見積依頼する方が開業までスムーズに工事を進められます。

⑦ 内装業者と工事契約
工事内容と金額が確定したら内装業者と正式に契約します。内装工事を始めるにあたり木材や設備機器などの材料が必要になるため、契約時に工事費の1/3を支払うことが一般的です。その後、工事開始後に工事費の1/3、工事完了後に残り1/3を支払うケースが多いです。融資で現金が手元に入るのが先の日程に間に合わない恐れがある場合は、契約時に内装業者に相談してみてください。

⑧ 工事開始
工事中は頻繁に行く必要はありませんが時々現場に行くようにしてください。内装工事は設計書通りに全て進むとは限らず、工事の流れの中で現場で工事内容を調整していくことも多くあります。現場に出ることを怠ってしまうと現場の判断で細かい仕様が決まることになります。そうなると工事終了後に「思っていたのと違う」という事態になり、納得できないまま開業日を迎えることになりかねません。現場に時々足を運び工事内容が意図しないものとなっていないか確認することで、このようなトラブルを防ぐことができます。

⑨ 竣工、引き渡し
内装工事が終わったら検査に立ち会いその後引き渡しとなります。床や壁等に汚れや傷がないか、水道・ガス・電気等の設備面に不具合がないかなど、お店の営業に必要なもの全てに問題がないことを確認してください。引き渡し完了後に工事内容の指摘をすると、追加の金額を要求される等のトラブルになったりすることがあります。また、店舗の営業開始後に追加の工事が必要となれば、営業を一時停止することになりお店の売上に影響を与えてしまいます。残工事や追加工事がある場合はなるべく引き渡し前に業者に指摘し、後から問題が発生しないように注意してください。

⑩ 開業
いよいよ店舗の開業です。この時点で内装業者とは金銭の支払いは終了していますが何か気になることがあれば遠慮せず相談しましょう。

3.余談


内装業者には設計・デザインのみ行う業者と、設計・デザインから施工までトータルで行う会社の2種類があります。デザインを業者に依頼する場合、後者の会社にデザインと施工をまとめて対応してもらう方が実現したい内装デザインは反映しやすく、開業までの流れがスムーズになります。分離で依頼すると設計・デザイン会社と施工業者の間に立って打合せを進める必要があるため注意が必要です。

4.まとめ


店舗開業までの流れを把握することで物件選び、融資手続き、内装工事の3者をスムーズに進められるようになります。実現したい内装デザインはWEBや写真で気になるものを保存しておくと業者との打合せがスムーズになります。物件選びでも内装業者選びでも打合せはご自身の要望を遠慮なくしっかりと伝え、納得のいく形で店舗開業まで進められるようにしてください。